表現する爽快感を味わう

投稿日:2013年5月29日

4月に開講した初級コース、レッスンが順調に進み、次回から後半に入ります。
これまでに習った英語の音作りの基礎について、各受講生がどの程度身につけたかを確認するため、簡単な発表をしてもらいます。課題文の詩の中から各自一つ作品を選び、それを音声で表現するものです。息や声の出し方、口形とその移動を含めて、考慮すべき事項がたくさんあり、とても表現を楽しむどころではありません。が、それでも自らの肉体を使って詩の内容を表現しきった爽快感を、どうにかして味わって欲しいのです。

例えば、課題詩の一つに “SMILE” があり、その中に次の一節が出てきます。
Light up your face with gladness,
Hide every trace of sadness,
この2行について、まずLight のL、それとHideのHに、英語で要求される息がスパッと入りカタカナ離れできると、それだけで詩の内容が立ちあがってきて、聞き手への伝わり方が違ってきます。聞き手も勿論そうですが、それ以上に詩を表現する演者自身が「違い」に気付くはずです。「違い」を作れた時のいい気分を瞬間でも感じることができると、それが弾みや励みとなって次のステップ・アップに繋がるのです。

ついでに、この詩の最重要ポイントは何か? わたくしは、やはりSmileの語感作りだと思います。それには、最初のSとM、この2重子音の部分をしっかり出せること、それと語尾のLを消さずに作れること、そして全体としては一息で(慌てずに)発して相手に届けること。この時、スピーカー自身の笑顔があるはずですね。怖い顔で “Smile!” と呼びかけても、誰も素直に応じられませんので。

もう一つ、練習段階では、少なくとも2種類以上のご自分の Smile作りを用意しておくことをお勧めします。この詩の中には6回程Smileが出てきますが、一種類だけだと単調になってしまいます。「変化をつける」、これが表現の幅を広げ、聞き手へのアピール度を増す秘訣です。

“SMILE”以外の課題詩の場合でも、その詩のポイントとなる言葉を見つけて、その語感を磨くことが大切です。レッスンの中で、トレーナーはそのためのヒントをコメントやアドバイスの形で出します。各受講生の方が、発表を終えて「あーすっきりした」という爽快感を味わえるよう、頑張って欲しいです。
<参考ブログ>
お手本がない!?(2010.5.30)
「音声表現」って何?(2012.3.8)

<ナガちゃん>