つぶやきの効用

投稿日:2012年2月23日

ここでいう「つぶやき」とは、今流行のツイッターのことではありません。また、野村(前)楽天イーグルス監督が捕手として活躍した現役時代に、「次は内角カーブかな」などと相手チームのバッターの耳元でわざと独り言を放ち、心理的に攪乱したような、つぶやきのことでもありません。文章を作成する際に、黙って書き進むのではなく、声に出しながら作成する、その時に出すつぶやきのことです。
 
中津先生が米国に留学した際に、ある日、英作文の授業を受けますが、その時にクラスメートの多くがブツブツ音を発しながら文章を作成するのを見て、とても印象深かったようです。塾の訓練時に、何回かそのときの光景について言及された記憶があります。
 
では何故、英作文の授業の参加者はブツブツ発音しながらやっていたのでしょうか。それは、つぶやきの効用と直結するのですが、主に文のリズムを整えるためであったと思われます。逆の言い方をしますと、口に出しながら行うことで、自分の書いた文がどのくらいリズミカルかを自分の耳を利用しながら、客観的にチェックできます。必要な修正を施し、再度チェック、それを繰り返し行って、よりよいものにしていくことが可能です。特に、書く文章がスピーチの草稿である場合には、聴衆は通常原稿を持たずに聞きますので、リズミカルで聞き易い、理解し易いものであることが不可欠です。
 
それでは日本人が、外国語である英語で文を作る際にも、つぶやきの効用を享受できるのかとの疑問がでてくるかもしれません。わたくしは、外国語であっても、つぶやきの効用は十分に受けられると確信します。ことリズムの善し悪しに関しては、母語か外国語かに余り関係なく捉えられるのではないでしょうか。そのためには、普段から良い文章に接し、その音読を通して文のリズム感覚を研ぎ澄ます必要があります。良い文章の例として、塾の訓練で使う課題文、すなわちDictatorやI Have a Dream はお手本になるに違いありません。
 
Martin Luther King Jr. 牧師は一晩でI Have a Dream の原稿を書き上げたと聞きます。恐らく、夜を徹してつぶやき作業を行い、20世紀を代表する一つの作品を作り上げたのではないかと推測するのです。

<ナガちゃん>

「ヌ」と「n」、息が鼻に抜けるのはどっち?体験してみませんか?

投稿日:2012年2月9日

このHP上でもご案内の通り、来る2月18日と3月10日に体験レッスンを開催します。当塾のカリキュラムの2本柱は英語の発音と発想ですが、主に発音の部分を中心に、初級コースの訓練内容を体験できます。更に、中級コースへ進んだ場合の、最終的な到達点を含めた全体像についても説明いたします。
 
さて今回のタイトルに掲げた設問については少し補足を要します。アルファベットのN(エヌ)は発音上、母音のe(エ)と子音のn(ヌ)から成り立ちます。ここではその子音部分、すなわちnとヌについて、息が鼻に抜ける度合いはどっちが大きいかという問いです。回答ですが、日本語の「ヌ」は息が鼻に抜けますが、英語の子音の「n」では殆ど抜けません(*)。体験レッスンでは、このように各アルファベットを子音と母音部分に分けて作り方を見ていきます。それが一大特徴です。
 
「百聞は一見にしかず」。アルファベットの作り方、すなわち口形、舌の位置や使い方、また息の配分などについて、解説文をいくら読んでも音は作れません。体験レッスンを通して、短時間で効率的に未来塾方式(増幅法)による音作りの基本が理解できます。また、トレーナーが出した音と、ご自分を含めた体験レッスン参加者の音を比較することで、強い子音を伴った(本来の)英語音とひ弱なカタカナ音との違いが明確に分かるでしょう。
 
土曜の午後3時間、まずは体験レッスンに参加されて、当塾のカリキュラムの概要と特徴を把握されることをお勧めします。一回の定員は10名程ですので、ご関心のある方は今すぐお申し込みください。
 
*厳密に言えば、「ヌ」は語尾にウが入りますので、独立した子音には成り得ません。

 
<ナガちゃん>