未来塾訓練とTOEICスコアアップ

投稿日:2012年10月29日

先日、久しぶりにTOEICを受験しました。聞き取れない音は一つもありませんでした。これまで受験用の勉強というものをしたことがなかったのですが、今回は事情があって、長文問題の問題集だけは試験前に一冊取り組みました。
 
これまでにTOEICは三回受験したことがあります。正確な時期はおぼえていないのですが、最初に受験した時は、まだ未来塾の訓練を受けていない頃でした。確か700点台だった記憶があります。特にリスニング問題で聞き取れない問題が結構ありました。
 
その後、未来塾に入塾し、毎回訓練中に中津先生やトレーナーたち、他のトレーニーたちの音をひたすら聞き、先生やトレーナーからのコメントを元に、丹念に自分の音を作っていく、というプロセスが初級、中級をとおして2年間続きました。発音にはまだまだ自信が持てませんでしたが、聞き取り力は自分でもかなり進歩している実感がありました。
 
そこで、再度、力試しにTOEICを受験してみました。今度は860点でした。特に、そのための準備や勉強をしていないのに、思いがけない点数がとれて、自分でもびっくりしました。
 
上級に進み、後輩たちの音を聞いてコメントを出す立場になりました。自分の音つくりだけの時の数倍の神経を使って、トレーニーたちの音を聴くことになりました。
 
ふと気付くと、英語のニュースがとてもよく聞こえ、映画も字幕が必要なくなっていました。どれくらい力がついたのか知りたくなり、三度TOEICに挑戦してみました。今度は955点。やった~、と思いました。
 
前述したように、TOEICの受験用にリスニングの「勉強」をしたことはありません。毎週、未来塾の訓練で耳をきたえ、録音された自分の音、他人の音にひたすら耳を傾け分析し続けた結果です。
 
さて、今回の結果はどうなるのでしょうか?最初に全て聞き取れた、と申しましたが、実は、一問聞き逃しました。聞き取り能力とは関係がなく、途中、ふと「あ~、まだあるのかぁ」と心がさまよった瞬間がありました。気付くと1問終わっていました。集中力が一瞬とぎれてしまったのです。英語力だけではどうにもならないこともありますね。
 

イノモン

今やろうとしていること

投稿日:2012年10月15日

成人を対象にした週末の異文化対応訓練の他に、今未来塾が取り組んでいるプロジェクトが二つあります。一つは新テキストの出版であり、もう一つは主に企業(人)を対象とした平日の訓練の実施です。前者については、別の機会にご紹介しますが、ここ10年程の実践結果も踏まえ、研修用のテキストとしてだけでなく一般の読み物としての出版を目指しています。
 
さて、企業向け研修についてですが、今の段階は、如何なる企業に対して、具体的に如何なるニーズに対応できるか検討をしているところです。最も大切なのは、企業といっても数多ありますので、ある企業を例えばA社とすると、A社が社員の方の人材教育として何を求めているか、その具体的なニーズの正確な把握であると思います。
 
同時に大切なのは、当未来塾が如何なる手助けを企業研修向けとしてできるのか、具体的な術を示すことだと思います。この点に関して、わたくしは次の3点を挙げます。
 
(1)各社員のコミュニケーション力の向上
肉体訓練を通して発声・発音が良くなる。英語だけでなく母語である日本語の向上も期待できるので、社員同士、取引先、更には客先との意思疎通がはかどり、業務遂行能力が高まる。
 
(2)各社員の異文化対応力の向上
異質なものを事実として冷静に受け止め、対応方法を練り、行動へと向かう方法をディベート導入訓練により学べる。
 
(3)社会的な使命貢献に誇りを感じる社員の養成
企業目的の遂行だけでなく、より広い観点から課題を見据え問題解決に取り組む姿勢の大切さを、課題文のプレゼンテーションや意見形成訓練により学べる。
 
これまで個人に対して、主に発音の向上を目指した訓練を行ってきました。加えてこれからは、企業単位で早急に人材のレベル・アップを図らねばならないという時代のニーズをひしひしと感じます。それに対して、わたくしたちは正面から取り組み、自分たちの社会的使命を果たす道を探っているところです。
 

<ナガちゃん>

イギリス人が耳をダンボにした事件

投稿日:2012年10月1日

「耳をダンボにする」という喩えは死語かもしれません。言い換えると、「耳をそばだてる」、「耳を澄ます」ということです。日本人の英語を聞いてイギリス人がハッとして全身を耳にした、そんな体験をした未来塾の先輩の話をご紹介します。
 
私が未来塾の中級コースを終えようとしていた頃ですから、今からおよそ4半世紀も前のこと、当時トレーナーとして中津先生のサポートをされていたHさんが1ヶ月間のイギリス旅行を実現し、その体験を受講生の前で話されました。
 
Hさんは、当時主婦業の傍ら自宅で英語塾を開いていた50代の女性です。教師が中心となって発足した「発音研究会」に参加し、未来塾を手伝うようになるまでの10年近くも発音を磨き、さらに英語のスピーチ大会に参加するなどして英語による発信力も鍛えて来られていました。そして、彼女にとって外国旅行はそれが初めてでした。
 
お話からは、旅行をとても楽しまれたのがわかりました。1週間ほどの湖水地方へのバスツアーに参加した時は、ガイドの話す英語の説明もよく聞き取れ、質問も臆せずできました。ツアー客同士での英語でのやりとりも問題なく、ユーモアを交えた会話を楽しめるほどだったそうです。
 
旅行中のある時、ほしいものがあってスーパーマーケットに入り、レジの女性に、“Could you ~ ?” と話しかけた時のことです。途端にそのレジ係のみならず、左右のレジ係もハッと手を止め、聞き耳を立てたと言うのです。なぜかシーンとなった店内。
 
「あわわ・・・、いったい何事が起こったの?」ととまどったHさん。明快な発音、通じる発音以上のものがそこにいたイギリス人達に伝わったのです。Hさんはわめいたわけではありません。「K」の破裂をしっかり作り、おそらく完璧に近いリズムで“Could you ~ ?” と話しかけただけです。
 
この時起こったことを次のように分析した塾生がいました。その時のHさんの英語がQueen’s English だったのではないかと。上流階級の人々が訪れそうもないスーパーでそれが聞こえた際の反応だったのではないか、というある塾生の説明に、なるほど、と思った私でした。
 
このエピソードは、欧米の音声重視文化の一端を表すものとして私には忘れられないものとなりました。中津先生は、レッスンの際に、発音が汚く聞こえる、だらしなく聞こえる、ということを率直に指摘されました。そのような発音によって損しかねないことをよくご存じだったのだと思います。Queen’s Englishを目指すかどうかは個人の自由ですが、未来塾では、少なくとも他人が耳を貸そうとする発音を目指していることは確かです。

 
<ぽんちゃん>