体験レッスン(2011年、第1回)を実施しました

投稿日:2011年2月26日

2月19日(土)、6名の参加を得て、体験レッスン第1回目を実施しました。
参加していただいた方へは心よりお礼を申し上げます。ほとんどの方が『なんで英語やるの?』を読まれていたため、体験レッスンを実施する上で大変助かりました。ここに記録の意味も含め、当日の流れや内容についてご紹介します。
 
まずは、参加者の短い自己紹介からスタート。それから未来塾の成り立ち、運営方針等について、進行担当者から簡単な説明を行った後、前半担当のトレーナーにバトンタッチ。実際のレッスンに入りました。
 
通常のレッスンをなぞるかたちで、体ほぐし→息出し→声出し、と進み、次に「基本運動」へ。5種類の運動を通して、くちびるとその周りの筋肉、舌と口腔内を意識するとともに、これらの部分の準備運動も兼ねています。くちびるをブルブル震わしたり、舌をルルルと鳴らしたり、子供の遊びのような動きもあり、少し気持ちがほぐれてきます。これら準備運動が終わると、いよいよアルファベットの「音作り」です。時間の関係で26文字全部は取り上げられませんでしたが、母音も含め15文字ほどについて作り方を説明し、実際にやっていただきました。緊張もあって皆さん疲れてきたところで前半が終了です。
 
短い休憩後、トレーナーが交代して後半スタート。前半で取り上げたアルファベット音の復習をしてから、後半のメインである「音の連結」に移りました。アルファベット5個の連結(「ABCDE」に挑戦)→単語(10個ほど)→単語の連結(「ParkPenPigPot」に挑戦)と進みました。これらすべて「増幅法」によるレッスンです。息や声を、通常の5~10倍くらい出します。また息を効率よく使うために、口の形も整えなければなりません。皆さん一生懸命取り組んでいらっしゃるものの、悪戦苦闘。なかなか発音に反映されません。「説明を受けてすぐできるくらいならレッスンは必要ないですよ」とトレーナーが励まします。
 
最後の挑戦は文章です。未来塾のカリキュラムで「音声表現」と称しているレッスンです。初級コースで課題としているチャップリンの映画『独裁者』で行われるスピーチの冒頭部分をやっていただきました。未来塾が目指す英語の音声は、いざという時に主張できる音声です。それを作るためにカリキュラムが組まれていることが体験レッスンを通じてわかっていただけたでしょうか。
 
参加された方には何よりも、「増幅法による発音訓練」に対して、ご自分が抵抗を感じるかどうか、やってみたいと思われるかどうかを確かめていただきたいと思います。というのは、初級コースの約70%が発音のレッスンに費やされるからです。この方法が合うか合わないかは、重要なポイントです。また、未来塾そのものに対して波長が合うか合わないかも大切ですね。
 
それとは別に、日程が合わないなどで初級コースに参加されない方もいらっしゃるでしょう。たとえこの体験レッスンが一期一会になったとしても、この「音作り」体験が、参加されたそれぞれの方に何らかのプラスになることを心より願っています。
 

<ぽんちゃん>

英語は冒頭が命

投稿日:2011年2月18日

チャップリンが制作・出演した映画「独裁者」のスピーチからまた引用します。
“We all want to help one another.  Human beings are like that.”
この文を言う場合、貴方のお持ちになる息と声(特に息)を全部で仮に100とすると、冒頭にどの程度の配分をされますか。
 
我が訓練では、目安ですが、50位が冒頭のWに置かれます。Weの次に息の配分が多いのは、二番目の文の冒頭、すなわちHumanのHです。20から30程度でしょうか。残り約20少々で全体を繋ぎ、最後のthatまで一気に言い切る感じです。
 
文の冒頭で、このように思い切りよく文全体を繋いでいくための、一種のエネルギー作りができないと、英語本来のリズム作りができません。早口に言えばよいということでは決してありません。一つのイメージとして、100m Dashのスタートの踏切を思い浮かべてください。神経を集中し、全エネルギーを利き足の裏、つま先部分に集めて蹴る、あの瞬間に似ています。
 
冒頭(We)で思い切りよくスタート、後はそのエネルギーを利用して、必要な口形を次々に作りながら(「口形移動」と私たちは呼んでいます)、息に声を乗せる感じで文末まで繋げます。舌や唇も、必要な音声を作るためにフル活動することは言を俟ちません。
 
日本語では、通常これ程までに、息と声が冒頭に集中して出されることはないと思います。従って、日本人が英語の音声を習得する際には、この冒頭部分作りの思い切りの良さをよく認識し、そのスキルを磨くことがどうしても欠かせません。

<ナガちゃん>

野獣の唸り、W音

投稿日:2011年2月10日

Wの音と野獣の唸りを比べるなど、入塾前は想像もしませんでした。ここで言う「Wの音」とは、もちろんWが単語の中で使われたときの音(「原音」と未来塾では呼びます)です。たとえば、Woman, Winter, Welcome等々です。カタカナの「ウ」ではこのW音は絶対表せません。ひょっとして理解してもらえる場合もあるかもしれませんが、無理と考えるべきです。
 
そこで登場するのが、野獣の唸り声です。Wの原音の作り方は、口の中に空気を貯めて両頬をふくらまし、唇を含め全体を緊張させます。そして堅く閉じた両唇の一点から、口中の息を一気に出します。コツは決して緊張を緩ませず、口形も崩さないことです。この一気に出された息が作る音、それが正に野獣の唸りに聞こえるのです。
 
わたくしはこのWの原音作りが苦手で、初級が始まって数ヶ月経過しても、四苦八苦の状態でした。どんなきっかけでできたのか、思い出せません。憶えているのは、トレーナーがなかなかOKのコメントを出してくれなかったという事実です。自分でもどうしたらいいか、きっかけが見つけられませんでした。
 
ところが驚く勿れ、最近の初級生は短時間でできてしまうのです。余り苦労しているように見えません。わたくしが初級生のときは10ヶ月間のコースでしたが、現在は4ヶ月で時間数も圧倒的に少ないのに。いずれにせよ、トレーナーである今の自分にとって、受講生がWの原音をつくれるのは嬉しく有り難いことです。訓練を先へ進められますので。
 
Wの原音ができると、初級の最終発表の課題文「独裁者」のスピーチがやりやすくなります。W音が頻繁に出てくるからです。まず冒頭ですが、”We all want to help one another.”で始まります。 この後もWeを主語とする文が、よくでてきます。それに、Worldが8回、Withが8回、Willが9回、などです。野獣の唸りに似たWの原音、これができると貴方の英語表現の幅がグーンと広がること、請け合いです。
 

<ナガちゃん>

増幅音

投稿日:2011年2月4日

「増幅音(ゾウフクオン)」とは何か、初めて聞いた方は皆目分からないと思います。ごく簡単に言いますと、「非常に強い息と破裂を伴った音で、訓練だけに使うもの」です。わたしたちが目指す音声は、多数の人前で自らの考えを明快に主張するためのものですが、それを獲得する過程として増幅音があります。その増幅音を使うやり方が増幅法です。
 
「増幅法による訓練」につき、多少長めですが、未来塾のテキストから以下引用します。
「日本人が英語原音(*)を身につけるためには、増幅された発音の過程が必要になります。このことはスポーツにおけるフォームづくりを考えてもらえば分かりやすいと思います。つまり、訓練時にはオーバーともいえる程の動作を繰り返すことにより、体に覚えさせ、実際の競技においても、その基本を維持させる方法と似ています。要するに、100%の運用能力を得るために、200%の訓練を行うことになります。」
 
この増幅音を訓練する過程で、英語の発音に必要な唇や舌を含めた口回りの筋力を強化します。息の強化も図ります。強化に必要な時間は人により異なりますが、成人の場合やはり半年はかかると思います。従って、現行のプログラムにおいて、初級段階だけでは実際のところ足りません。
 
最後に一番大切なこと、それは冒頭に述べたように、増幅音はあくまで訓練音ですので、人前で行うスピーチにはそのまま使えません。また使用は避けるべきものです。以下、再度テキストから引用し本項目を終えます。
 
「増幅音から原音(*)へ: 増幅法により、口形、呼吸、舌、筋肉のコントロールができた後、原音を目指し、適切な音量と音質で、英文を明瞭かつ自然に発声、朗読することを訓練します。」
     
  *ここでいう「原音」とは、多数の人前で自らの考えを明快に主張するために必要な(過不足のない)音声のことで、増幅音と会話音の中間に位置するものです。

<ナガちゃん>