担当しているトレーナー達が、訓練や日常の中で気づいたことを綴っていきます。
2月20日に、2010年度の体験レッスン(第1回)を開催しました。8名の方が参加されました。ご参加下さった方に感謝と敬意をお伝えします。
未来塾が何よりも大切にするのは「体験」であり、「体感」です。「なんで英語やるの?」で大宅賞を受賞した中津燎子には全国の読者から彼女の教育法に賛意、興味を示す手紙がダンボール箱一杯になるほど届いたそうですが、わざわざ足を運んで中津に会った、レッスンを体験した方はわずかだったと聞いています。自分の殻を破るためには行動を起こさなければ何も始まりません。
3時間の体験レッスンでは「異文化対応訓練」課程の半分の音声訓練に重きを置いて経験して頂きます。これまでの自分が受けた訓練との違いを感じること、未来塾の教授内容が参加者ご自身の英語修得に資するかどうかを感じて頂きました。短いレッスンですが、そこには未来塾のエッセンスが間違いなく込められています。
(1) 音は肉体を使って出すもの
未来塾のレッスンで毎回行う体ほぐし、息出し、そして声出しを参加者に実際にやって頂きました。これだけでも個人差があります。また、この段階では半信半疑でしょうが、これが時間内の訓練にダイレクトに繋がってゆくのです。
(2) 未来塾は音をつくる、音を引き出す
“educate”の語源は「中から引き出す」という意味のラテン語です。未来塾の教育は受講者お一人お一人からご自身の音を引き出すことが主眼です。実際、3時間の体験レッスンでも、まだまだ遠慮がちではありましたが、最後には各自がこれまで出したことがないと思われる音声が出てきました。
(3) 鍛える部分もあります
未来塾が考える音作りの基本を「口形」の観点から言えば、以下の3つに集約されます。
ⅰ)口を縦に開ける。
ⅱ)口を絞った形にする。(未来塾では『メガフォン口形』と呼んでいます)
ⅲ)唇を引き締める。
これは鍛えないとできません。そのために中津が考案したお口周りの体操も体験して頂きました。
(4) いくつかのアルファベットと単語に挑戦しました
増幅法による訓練を体験して頂きました。参加者は、これまでアルファベットは数え切れないほど発音してきたでしょう。題材として使った単語は日本人の誰もが知っており、カタカナになっているものです。それらをこれまでと違う方法で発音して頂きました。皆、目を白黒させ、悪戦苦闘しながらの挑戦でした。
(5) Speechに挑戦しました
Martin Luther King Jr.の有名な演説、”I have a dream”の一節を、読むのではなく、聴衆を想定してスピーチとして発声して頂きました。その後、講師(トレーナー)のデモを聞き、未来塾が目指すものを感じて頂きました。
参加者は、未来塾の体験レッスンに驚き、謎を感じ、そしてもしかしたらこの方法でやれば英語の学び直しができるのでは、という期待を持たれたのではないかと思います。いずれにしても、レッスンに足を運んだ問題意識の解答は各参加者が出されるものです。本年度の初級コースに参加されれば、私達講師(トレーナー)がその解答を得るお手伝いを致します。4ヶ月のレッスンの後、お一人お一人にその解答は示されるでしょう。
(フルヤン)
まず次の三つの短い文を見ていただきたい。と同時に、是非口に出して発音してみてください。
(1) “We all want to help one another. Human beings are like that.”
(2) “We hold these truths to be self-evident, that all men are created
equal.”
(3) “Again, we are tested. And again, we must answer history’s call.”
上の三つの引用文全てに 存在するare を皆さんはどのように発音されたでしょうか。手の指2~3本が縦に口に入るぐらい、しっかり開きましたか。
(1)(2)(3)の文章とも、話し手の意思をスピ-チとして、聞き手である聴衆へ伝えるには、areの存在をしっかり示す必要があります。しかしながら、この大事なareをぞんざいに、もしくは軽く、あるかなきかの如く発音してしまうのが私達日本人の常です。
このような時に、中津燎子はしばしば「そのareは二束三文だよ」とコメントしていました。
存在を表す重みのあるareを発音するには、前述した口の縦開きが欠かせません。念押しですが、手の指が、横ではなく、縦に2~3本入るくらい、すなわち、3~4センチ口を縦に開いて発音します。
ちなみに、(1)と(2)は未来塾の訓練で使う定番のスピ-チであり、(3)は、今年1月27日に行われた、オバマ米国大統領の一般教書演説からの引用です。