発音のブラッシュアップの必要性

投稿日:2012年7月23日

アルファベット26文字の音の作り方から始めて、4か月後には課題文のスピーチである“Dictator” を人前で披露できるまでに仕上げることが、現在の初級コースの大目標です。そして、次の中級コース4か月で、もう一つの課題文である“I Have A Dream” 等の練習を通して更に音声を磨き、音の定着を目指します。問題は、8か月かけて培った自身の英語音を、その後如何にしてキープするかです。
 
ここでいきなり話は飛びますが、わたくしは歯医者さんに年2回ほど定期点検に行きます。虫歯はありますが、痛くなって行くのではなく、主に汚れ具合を見てもらい歯石を落とすのが目的です。その際必ず歯磨き指導を受けます。一生自前の歯で食事できるか否かは、歯磨きの仕方一つにかかっていると歯医者さんは言います。歯磨き指導を毎回受けていても、暫く立つとやり方が甘くなり、半年もするとかなり歯が汚れ、歯石がたまる傾向があります。
 
英語の発音についても、前述の歯の定期検診と同様のチェック、すなわちブラッシュアップの機会が必要であり、自己流にならないためには音の専門家のアドバイスや指導が欠かせないと言えるのではないでしょうか。ご自分で訓練のテープを聞き返し音の分析を行うことは、聞き分け力をつけ、また音のキープに役立つに違いありませんが、それだけでは足りません。
 
未来塾では昨年度よりスポット訓練なる機会を設けました。かつて初級・中級コースに参加され、途中脱落することなく終了された方々を対象に、ご自分が
欲するレッスン(だけに)参加できるシステムです。この主目的は、音に関して言えば、ブラッシュアップに他なりません。昨年はお一人利用されました。そして今年度は、昨年度の受講生(男性)一名が、連続的にこのスポット訓練を利用されています。
 
1999年に自主運営になってから、既に100名ほどの方が受講され、そのうち半数以上の方が中級コースを終了され当塾のOB/OGになっています。お一人でも多くの方が、訓練成果としての自らの英語音をブラッシュアップできるよう、今後も更なる働きかけを行っていき、できるだけ個別のニーズにも応えていきたいと念じています。
 

<ナガちゃん>

ゲームを通して見る日本人の論理性

投稿日:2012年7月5日

4月に開講した初級コースは後3回を残すのみとなりましたが、半分を過ぎた時点で「発想訓練: Yes-No Game」 を行いました。これは以後の「ディベート導入訓練」と合わせ、英語で要求される論理的思考を学ぶレッスンで、全て日本語で行います。出題者が想定した「物」について、受講生が順番に質問してできるだけ早く答えを探り当てるゲームです。今年の展開を見てみましょう。
 
(1)「それは動物か」/  Yes 、(2)「それは人か」/  Yes 、(3)「それはこの部屋にあるか」/  No 、(4)「それは男か」/  No 、(5)「年齢は30歳前か」/  No 、 (6)「日本人か」/  No 、(7)「実在するか」/  Yes 、(8) 略、(9)「生きているか」/  Yes 、(10)「歌手か」/  No 、(11)「アメリカ人か」/  No 、(12)「俳優か」/  No 、 (13)「政治家か」/  No 、(14)「結婚しているか」/  Yes 、(15)「女優か」/  No 、(16)「英国人か」/  Yes 、(17)~(19) 略、(20)「エリザベス女王か」/ Yes。
5名の受講生が参加しましたので、丁度4周したところで正解に至りました。
 
岡目八目といいますか、質問と回答を上記のように一覧すると、いくつかのことが見えてきます。6番目まではほぼ順調に詰めができています。「女性で年齢は30歳以上」との像が浮かび上がってきました。願わくは、ここで (5) の年齢か、(6) の国籍のどちらかを中心に、もっと連携して詰めができればよかったわけです。(11) でアメリカ人が、(16) になって、ようやく英国人がでてきます。しかも整理して気が付いたのですが、国籍を尋ねているのは同一の受講生ですね。すなわち、グループとしての連携ではなく、あくまでも個人プレーの範囲で進んだことがわかります。
 
もう少し回答を見ていきます。他の人の質問とそれに対する回答 ( Yes/No ) が頭に入っていれば省けた質問に (9) と (15) があります。(7) で「実在する」とわかりましたので、「生きているか」は不要でしたし、(12) で「俳優ではない」とわかったのですから、「女優か」は余分でした。
 
わたくしが初級の時に経験した発想ゲーム、何とか質問をひねり出すのに四苦八苦で、他の人の質問とそれに対する回答を聞いて、得られた情報を頭の中で整理するまでは全く手が回りませんでした。質問自体「それは柔らかいですか」といった、曖昧なものを発する始末だったことを憶えています。
 
このようなゲームを通してわたしたち日本人の思考傾向に気付き、論理面の弱点を補っていくことは、異文化コミュニケーション力向上にとって欠かせません。

<ナガちゃん>