担当しているトレーナー達が、訓練や日常の中で気づいたことを綴っていきます。
2度目の体験レッスンを実施しました。参加された9名の皆様に厚くお礼申し上げます。
2月に行われた最初の体験レッスンと合わせて,延べ17名が参加され、そのうち4月スタートの初級コースへは、現在4名が申し込みされています。5名以上で開講する、という原則を設けているため、申し込み期限までに人数が達するかどうかが鍵です。
ここで、あらためて体験レッスンを設けた目的や経緯を少し詳しく記します。
昔、未来塾がバベル翻訳・外語学院(現BABEL UNIVERSITY)の一講座であった頃、初級コースは10月に始まり、翌年の9月に終了。回数にしておよそ40回、80時間ほどのカリキュラムでした。
毎年、中津塾長と学院のスタッフで受講希望者を面接し、受講の動機や目的を確認して選考していたにも関わらず、講座がスタートして半年経つ頃には、受講生が半数ぐらいに減っているというのが常でした。(このことを、中津燎子が『英語と運命』(三五館、2005年発行)の「第12章 未来塾とヒグマ・ザ・モンスター」に書いています)
1999年に、自主運営で未来塾を始める時に特に配慮したのが、この、途中退塾を減らしたいということでした。手間も暇もかかるトレーニングが途中で無に帰すことは、トレーニー、トレーナー双方にとって、あまりにエネルギーと時間の無駄です。
そうならないようにと二つの工夫をしました。
一つはカリキュラムです。1年間のコースを4ヵ月、全12回に短縮しました。時間と費用の面で参加をし易くすることに加えて、未来塾カリキュラムの全体像をなるべく早く知ってもらいたい、ということからです。アルファベットの音作りは、口や舌を鍛え、耳を鍛えるという点で、スピーチ音の基礎となる大切な訓練です。しかし、その重要性に最初から納得がいくことは少なく、スピーチに取り組んで初めて、なるほどと実感できるのではないかと考えました。
もう一つの工夫が、本コースダイジェスト版体験レッスンを設け、これへの参加を本コース受講の必須条件としたことです。実際の訓練でトレーナーが出す音やトレーニーに要求される音は、読んだり聞いたりしてご自分なりに想像する範囲を超えています。また、トレーナーがトレーニーの出した音に対して出すコメントは事実主体のため、当初はダメ出しばかりです。それが、どのようなもので、ご自分は許容できるのか。いずれにせよ、百の説明より一回の体験が最も有効と考えたわけです。
以上の工夫により、受講生がコース半ばで辞めることは、劇的に減りました。今後はこの訓練の効果や魅力をもっとアピールしていくことが、課題です。
最後に、私が、他に仕事を持ちつつ、未来塾のトレーナー兼スタッフとして時間を割いている理由を簡単に記しておきます。
一つには、発音を学びたい方のお役に立てたらうれしい、ということがあります。自分の学んだ方法が生かされる、つまり自分自身が生かされる喜びがあります。
もう一つは、トレーナーとしての役割を果たすことが、自分にとっての異文化対応訓練でもある、ということです。このことは、説明し出すと長くなりますので、詳細は別の機会に。
(ぽんちゃん)