総選挙に思う

投稿日:2012年12月11日

数日前わたくしは中津先生の夢を見ました。教室で訓練を担当しているのは先生ではなく、どうやらわたくしのようで、その近くで前方のある一点を見つめている姿でした。殆ど無表情で、訓練がうまくいっているか心配されている様子にも見えましたが、むしろ日本の行く末に思いをはせている感じに受け止めました。

最後の二冊の著書、『英語と運命』と『声を限りに蝉が哭く』の中で、中津先生はご自身の老婆心と前置きしながらも、非常に日本の行く末を気にかけていました。「猛獣社会」の世界の中で、自分の孫娘が何とか生き残れる日本にできないか、そのための術をどうするかについて述べています。

来る12月16日は総選挙です。中津先生が生きていたら、現状についてどのようにコメントされるかとても興味がありますが、わたくしの夢の中にでてきた先生の表情は決して楽観的なものではありませんでした。本当に心配されていて、「あなたたちしっかりやってよ」、「このような大事な時のために訓練をやってきたのよ」といいたげな感じでした。

訓練中に、また講演の中で、しばしば先生はその時々の政局に触れ、例えば森首相とか小泉総理とかの言動について批評されたりしました。これは政治がお好きだったからではなく、常に社会的な事象に関心を持ち、直接関係がないことでもできるだけ自らに引き付けてとらえ、他へ正確な情報として伝達できることが社会の構成員として大切との基本姿勢から来ています(*)。

誰に投票するか、どの党へ一票を入れるかは自らが最終的に判断しなければなりませんが、中津先生が生きておられたら、おそらく次のような忠告をされたことでしょう。一つは、どんなことがあっても投票所へ行って自分が信じる一票を投じるようにということ、もう一つは現在の政治の動きを歴史の座標軸に立ってよく見極め、決してかっこいい姿勢や美辞麗句をまとった一過性のムードに流されるな、ということだと改めて思うのです。

*過去の参考ブログ:「未来塾10カ条」( 2011年4月13日掲載 )

<ナガちゃん>