担当しているトレーナー達が、訓練や日常の中で気づいたことを綴っていきます。
昨年、私の勤め先(輸入卸業)にマレーシアからひとりの華僑のビジネスマンが訪ねてきたときのことです。英語で挨拶をして日本の印象を聞いたところ「あなたの英語はいい。分かる」と出しぬけに言われました。日本に到着してからずっと、ホテルやレストラン、お店で話される日本人の英語がよく分からないと言うのです。日本人が英語らしき言葉を言っているのは分かるが、何を言っているのか分からず、困惑してしまったことが、何回もあったそうです。初来日で英語が通じるはずと思って来た日本で、日本人の英語が分からず困っていたところ、やっと英語で通じ合えて、ほっとした彼の表情が印象的でした。
マレーシアは多民族国家でマレーシア語が公用語ですが、イギリスの植民地時代の公用語であった英語も民族間の共通語の役割を果たしているそうです。つまり、マレーシアの華僑の人々にとって、英語は日本人よりも身近な存在のようです。彼のほっとした表情の裏には「英語が分からないという経験は初めて」という戸惑い、驚きがあるように感じました。
また、以前、カナダ旅行でナイアガラの滝を見に行ったとき、滝壺に近づくボートツアーで出会ったドイツ人の女性と英語で会話をし、「あなたの英語は良い、一体、どこで習ったの?」と聞かれたことがありました。「日本で」と答えたところ、彼女は信じられない様子でした。「なぜそんな質問をするのだろう?」と、逆にこちらが聞きたい気持ちになりました。私は海外留学や、海外出張の経験はなく、一週間程度の海外旅行も今までに数回程度。そんな私の英語が「分かる、良い」と言われたのは、何故か? それは未来塾で受けた発音訓練の成果だと思います。
私が英語を話す時、まず気をつけることは、息、声を前に出すこと。その際に、口が横に開かないよう、口の脇に力を入れること。このことは「メガフォン口形」(*)として学びました。訓練で学んだことを実践したら、前述のように言われたのです。
私は20数年前、中津燎子から英語の発音訓練を受け、その後も引き続きトレーナーとして未来塾に関わっています。今の仕事では、特に、海外からの電話への対応時に未来塾で学び身につけたことが役に立っていると感じています。この未来塾が、私ばかりでなく、英語の発音習得に悩んでいる多くの日本人に役に立つことを確信しつつ、これからも運営していきたいと思っています。
(*)「メガフォン口形」:
詳細については2010年6月26日付、ナガちゃんのブログをご参照ください。