息のコントロールを支える腹式呼吸

投稿日:2010年9月1日

未来塾では、息や呼吸だけを取り上げて、専門的に深く掘り下げて訓練することはありません。只、毎回のレッスン開始時に、今体内にある息を出し切り、次に息を深く吸ってお腹に一旦貯めた後、その息に声を乗せて出すということを何回か意識的に行います。発音訓練の準備運動の一環です。準備運動を終えると、毎回、課題に対して、息、声、口形を発音の3要素としてとらえ訓練を進めますが、息については、如何に素早く十分に吸い、体内深くからそれを効率的に出して使えるか、すなわち息のコントロールがポイントとなります。
 
アルファベット26文字の発音を習得すると、多少機械的ですが5個毎にまとめ、あたかも一つの単語のようにして発音します。ABCDE, FGHIJ, KLMNO, PQRST, UVWXYZ といった具合です(最後だけは6文字になります)。これはアルファベットから単語への移行過程での訓練です。この時も、息を下腹深く吸った後、語頭に勢いをつけて音作りを始め、残りの息を等分にして使いながら(「息の配分」という言い方をします)続く4文字を発音し語尾へと繋げます。全体としては5文字を連結させます。
 
アルファベットから単語、そして文へと音作りが進んでも、息に関する要領は基本的に同じです。要領としては、吸って貯めた息を使い切ったら、再び素早く吸いお腹の底に落とし込み、再びそれを配分しながら出し、息に声を乗せて聞き手へ届ける、その繰り返しとなります。私の場合には、この息のコントロールの際にかなり腹筋を使っているようです。といいますのは、ある程度長いスピーチを表現し切った後では、腹筋運動の後のようにお腹の辺りに鈍痛を感じるからです。お腹で支えながら息を使っている、つまり腹式呼吸をしているということだと思います。
 
以上でお分かりのように、息のコントロールとそれを支える腹式呼吸は、英語で音声表現をする際に不可欠のものです。そしてそれは、訓練によって誰でも身につけることができる技でもあるのです。
 
注記:なお、未来塾の発音訓練では常に「息」の大切さを強調しますが、あえて「腹式呼吸」という言葉を多用しません。それは呼吸が「腹式」かどうかということに囚われてしまうことを避けるためです。「腹式呼吸」ができているかどうかよりも、実質的に「息」を十分に使えること、「息」に「声」を乗せて発声できることが重要です。
 

<ナガちゃん>