母子分離

投稿日:2010年9月10日

母音と子音を分けること、それが英語の発音の大きなポイントと言えます。未来塾ではそれを「母子分離」と表現しています。日本語では、母音と子音は分かれていません。分かれていないどころか、子音は母音に吸収されるように私には感じられます。ンを除く50音全てが母音のアイウエオいずれかに集約されていきます。
 
たとえば、カキクケコをゆっくり言ってみてください。カ、キ、ク、ケ、コと、語尾を少し伸ばし、母音の部分の音程を上げるようなかたちで発音していませんか。このような時、私には、子音が母音に飲み込まれていくように感じられます。
 
簡単な英語の単語を例にとって「母子分離」とは何か、具体的に見てみましょう。STARという単語を取り上げます。最初の文字Sと次のTは二重子音で、この二つの間には一切母音は入りません。ところが、日本語の干渉を受けて、子音と母音を分ける意識が弱いと、SとTの間にU(ゥ)が入ってきます。「ゥ」が入ると、STAR ではなく、(日本語音の)「スター」に限りなく近くなっていきます。
 
母音と子音を分ける訓練方法として、塾では日本語の50音をロ-マ字表記したものを使います。例えば、KA  KI  KU  KE  KOです。音声としては、子音(K)プラス母音の形、すなわち、K+A、K+I、K+U、K+E、K+Oのようにイメージすると作り易いでしょう。
 
一つずつ、Kと各母音を分けて音を作ります。KAは、K+Aをイメージし、まず息を中心にして、鋭くKを出します。この時発音されるのは子音のみで、一切母音は入りません。出し切ったところでAを付け加える。これもできるだけ息で行います。唇は緩ませずに、口形はメガフォンを保ちながら発音します。
 
ポイントは、子音を単独で作り発声し終えてから、母音を繋げる点です。母音はむしろ短母音と考え、ほぼ息のみで作ります。息の量から表現すると、Ka Ki Ku Ke Koのようになります(子音は母音の倍ほどの分量がある感じです)。音声面から見ると、日本語では子は母に吸収され分離できませんが、英語では母子は分離され各々自立しつつ共存している関係と言えるのではないでしょうか。
 

<ナガちゃん>