日本語で伝えられないなら、英語でも伝えられない

投稿日:2010年6月19日

初級コース、12回中の9回目に「ニューズレポート」という英語ではなく日本語で発表する訓練をします。何故、英語で、ではなく、日本語で、なのか? それは日本語で言いたいことを伝えられないなら、英語でも伝えられないという現実を未来塾はふまえているからなのです。
 
「ニューズレポート」では、あるテーマについて書かれている日本語の記事を読み、記事の概要と自分の意見をまとめ、3分間で日本語で口頭発表します。
 
「英語を学びに未来塾に来たのに、なんで今更、英語ではなく、日本語でやるのか?」と、中津塾長の時代に、このレッスンの前身である「(*)ブックレポート」訓練を受けた時、私は疑問を感じました。
 
しかし、塾長から、訓練のねらいが、自分の言いたいことを聞き手に分かるように整理すること、自分の意見を表明することであると説明を受け、なんとか覚悟を決めて取り組みました。結果は発表を時間内でおさめることは出来ず、以下のコメントをもらう有様でした。
 
「本の内容を整理できてないので、聞き手によくわからない」
「著者の意見に同調するだけで、意見ではなく感想を述べている」
 
手厳しいコメントでしたが、良い経験をしたと思いました。なぜならば、自分の言いたいことをまずは母国語である日本語で聞き手に分かるように整理して伝えられなかったら、また自分の意見を母国語である日本語で言えないのなら、いわんや、外国語である英語で出来るはずがない、ということに気づいたからです。
 
それから自分が日頃、いかに聞き手が分かるように伝えていなかったのかが分かり、言いたいことを聞き手の立場に立って整理するように意識し、自分の考えを持つように努めました。そして、仕事(輸入事務)で、英語でやりとりしなければならない時、まずは、伝えたいことを日本語で整理してから、英語にするようにしました。おかげで、以前よりも、ファックスやメールなどの英文をつくるのが手際よくできるようになり、また、相手から聞き返されることが減ってきて、通じた、と感じられることが多くなってきました。
 
日本語で伝える訓練は、“通じる英語”に近づくために有効であると実感しています。 

 
(*)ブックレポート:中津燎子が塾長だった時代に未来塾で行っていた日本語による説明訓練。日本人や日本文化について書かれた本を一冊読み、概要と意見をまとめ、5分間で口頭発表する、というもの。

<オサリン>