担当しているトレーナー達が、訓練や日常の中で気づいたことを綴っていきます。
未来塾では、受講を希望される皆様に必ず開講前の体験レッスンにご参加いただき、未来塾の手法にご納得をいただいた上での受講をお願いしています。この体験レッスンでお伝えする重要な点の一つに未来塾のレッスンが「集団訓練」であることがあります。
この「集団訓練」の目的は主に2つあり、どちらも未来塾の発音訓練の特徴である「音作り」と「異文化対応」に関するものです。
未来塾のレッスンでは、ネイティブの音を「真似る」のではなく、自分自身の息、声、発声諸器官(のど、舌、口輪筋など)をコントロールして、英語として通じるクリアな「音を作って」*1いきます。この時に、トレーナーはもちろん、自分の出す音、そして他のトレーニーの出す音も、自身の音作りのための情報として利用するのです。ですから、1対1ではなく、複数のトレーニーがともに訓練を行うことが欠かせません。
また、未来塾では、必ずレッスンを録音し、次のレッスンまでに録音を聞き直していただいています。レッスン中は、息や舌、口輪筋を今までと違った使い方をすることもあるので、一つ一つの動作を行うことに夢中になっていて、あまり冷静にできていない部分があるのは否めません。また、自身の出した音に対してトレーナーがコメント*2を出しますが、これもあまり冷静に受け止めていない場合もあります。そこで、レッスンを録音し、必ず次回までにそれを聞き直していただくわけですが、その時は、自身の音や他のトレーニーの音を等距離で分析しながら聞き、出されたコメントを確認していただくのです。このことを通じて、「クリアな英語音作り」という目的達成のために、自・他を冷静にとらえて分析する、という「異文化対応」の基本的な訓練を知らないうちに行っていることになります。
このように、未来塾の特徴である「集団訓練」ですが、これは、未来塾を運営する私たちトレーナーにも当てはまります。現在未来塾のトレーナーは5名おります。前に立って各レッスンを担当するのは一人のトレーナーですが、他のトレーナーも教室の後方で必ずレッスンを観察します。何を観察するかというと、各トレーニーの進捗状況、担当トレーナーのレッスンの進行や説明、コメントが適切であるかなどです。そして、必ずレッスン終了後には「コメント合わせ」というミーティングを持って、そのレッスンの振り返りや、各トレーニーの現状、及び今後必要な対応について突合せを行い、情報を共有します。そしてそれを次回以降のレッスンに活用します。これらすべては、トレーニーのみなさんの「英語として通じる音作り」という目的のために私たちが担う50%の責任分担の一部であると同時に、トレーナーにとっての「集団訓練」であると私はとらえています。
早いもので、コースも半分を過ぎましたが、今回の初級コースは10名のトレーニーのみなさんが参加されています。「音作り」のための情報、教材が豊富です。たくさんの音に意識を集中して聞いていただくので、大きな成果が期待できます。
*1 参照「音作りそれは地道な肉体訓練そのもの」
*2 参照「コメント生かされてこそ」
イノモン