欲しい物を買えない悲劇

投稿日:2010年8月5日

受講生の中で、その受講動機として、かつてアメリカ等に滞在中に食べたいものを注文したが話が通じず、悔しい思いをした経験をあげる人がいます。発音を改善したいので訓練を受けたいというものです。通じない主な理由は、やはりカタカナで発音しているためで、店員が聞き取れず、欲しい物を買えないという悲劇が起きるようです。

 

仮に次のような場面を想定してみましょう。「(街を歩いていて)近くのマクドナルドを見つけ、ハンバーガーとコーク、それにストロベリーのアイスクリームを食べたい。」幸い近くにお巡りさんがいましたので、近辺にマクドナルドの店がないか尋ねようと思いますが、さて…..

 

英語の言い方では、店名 McDonald’s の文字で、どこが最も強く発音されるでしょうか。ご存知の方も多いと思いますが、答えは“D”の部分です。M から始めて語尾の d’s まで(一拍で)言い切ります。Mは両唇に少し力を入れ発音し、その力を利用して、c、D、n、l、d、sと子音だけを繋げて音を作ります。母音のoとaを出そうとすると、かえってリズムが狂うからです。幸い、D~dまで、舌の先は同じ位置(上の歯茎)につけたままで、次々と発音できます。

 

念押しですが、出だしのMで決して「マ」と言ってはいけません。子音のみのMは、プレッシャーをかけて合わせた上下の唇を離す時に発せられる音で、表記すればむしろ「ム」に近いでしょう。また、Dの時に、強めに舌をはじき、他の音より際立たせることを忘れずに。

 

さて、無事に最寄りのMcDonald’sにたどり着きました。HamburgerとCokeとStrawberry Ice Cream を注文します。発音上のポイントは何か? 基本的には、これら3つ全て、語頭の子音を鋭い息と共に出します。すなわち、H、C(K)、Strの部分です。

 

口形は横に広がらないように注意します。Hは上下の唇を3㎝位縦に開け不動にして作ります。Coke は 、出だしのK音をしっかり出した後、oの部分では口をさっと丸めて発音し、最後にK音でしめます。Str は三重子音で母音は一切入りません。Sの子音を出すと同時に、舌先を上の歯茎に押しつけてT音を出し、それを素早く反転させ口蓋に当てR音を作ります。この間、息は出続けています。

 

注文や支払いで、数字も重要です。以下ワンポイント・アドバイスを少々。
・T(Two, Ten) くれぐれも「ツ-」や「テン」にならないように、前述StrのTの作り方を参照ください。
・Three  Th は舌先の上側部分を上歯に押しつけるようにして出します。
・F (Four, Five)   下唇を堅く緊張させ上歯部に押し当て息で吹きます。
・S (Six, Seven) 上下の歯を軽く閉じ、間から強く息を出します。「シ」にならないように。

 

今度は欲しい物を着実にゲットしたいですね!

<ナガちゃん>