担当しているトレーナー達が、訓練や日常の中で気づいたことを綴っていきます。
仕事で子供に英語を教えています。年齢は、小学生前から中学1年生までです。
今は、親の教育熱心さもあり、子供たちも結構たくさんの「英単語」を知っています。また、世の中にはカタカナで書かれた外来語がたくさんあり、いわゆるカタカナ英語も氾濫しています。このカタカナを読んで、英語を発音している、と思っている人(子)もたくさんいて、通じる英語の発音修得を邪魔していると思っています。
ある日、幼稚園児2人と小学一年生3人で構成されるクラスで、トラの絵を見せて、“What’s this?” と質問しました。即座に “It’s タイガー!!!” との答えが返ってきます。 “Yes, it’s a tiger. Very good. But タイガー is not English.” と言うと、きょとんとした顔。「タイガーっていうのは、英語じゃないよ。」???
えっ?という表情の子供たちに、「舌を上の歯の後ろにつけてみて。そうそう、それで、舌にギュ~ッと力をいれて。そして・・」といって、息で舌をはじきます。子供は真似っこが得意です。いっぺんで t の原音ができてしまいます。
「もう一回ね。舌を上のあごにつけて~。押さえて。はい、tiger! 」 “tiger!” もう、タイガーと言う子はいません。今度は、拍手を1つしながら、tiger と言ってみます。拍手をする間に tiger は発音終えています。「じゃあ、もう一度手をたたきながらタイガーって言ってみて。」拍手を終えた時点では、「タイ」しか言えず、「ガー」が残ってしまいました。「ねっ?タイガーはtiger と違うんだよ。英語では tiger って言ってね。」
子供と違って、大人がカタカナ英語から、英語として通じる発音を学び直すのには、もう少し時間がかかります。「トラ」を「タイガー」と言えば、英語を言っていると思ってきた期間が、子供よりはるかに長いですからね。
※過去の参考ブログ:「強い虎かダメ虎か、決め手は何?」(2011年6月23日掲載)