必須の録音テープ聞き直し

投稿日:2010年5月24日

テープやディスクに録音した訓練内容を、最低一回は次回のレッスンまでに聞いてくること、それは受講生にとって宿題です。通常のレッスンは2時間ですので、平均して毎日20分は録音を聞いて復習しなければなりません。忙しい現代人にとって、平日20分の時間をまとめて取るのは出来そうで、かなり努力が要ると思います。

 

物理的な時間の工面の難しさに加え、なるべく録音を聞きたくないという気持ちの克服も要ります。「増幅法」による途方もない自分の声や、トレイナーの駄目だし中心のコメントを聞くのは、誰にとっても苦痛に違いありません。

 

わたしも初級の当初、録音を聞きたくなく、しばらく放っておいた時期があります。でも当時(20年前)は訓練の期間が10ヶ月と長く、時間数が今の数倍あり、挽回が可能でした。今は4ヶ月の速成コースですので、後から追いつくのは至難の業で、その時々でやるべきことを着実に行うことが求められます。その点、今の受講生には気の毒ですが、成果をあげるため、覚悟を決めて最低一回は聞き直して欲しいと思います。

 

聞き直しの際の留意点を一つ。とにかく集中して聞くことです。「イヤホンでひたすら聞くように」と中津塾長はよく言っていました。これは雑音を入れずに、耳を澄まして録音内容を聞く大切さを述べたものと思います。出来るだけ静かな環境の中で、また、心身ともに疲れていない状態で聞くと効果的です。

 

もう一つのポイントは、録音内容を漫然と聞くのではなく、聞き分ける意識をもつことです。トレイナーと受講生の違い、受講生の「誰々さん」と自分との違い、また自分自身についても、OKのときと駄目のときの違い、などです。同じPで始まる単語でも、ParkではOK、Pigでは失敗、といったような例はよくあります。

 

聞き直しが面白くなれば、しめたものです。音を通して、新たな自分の発見があるかもしれません。聞く分析力が増すと、周囲の様々な音が気になり出します。ラジオやテレビの出演者の声、プラットホームの放送、カフェでの人々の会話、等々です。何よりも、訓練中に発せられる自他の音への反応がよくなるでしょう。録音テープは、聞き分け能力向上へのヒントが一杯つまっている宝庫です。その宝庫の扉を開ける鍵となるのが、テープの聞き直しに他なりません。

<ナガちゃん>