担当しているトレーナー達が、訓練や日常の中で気づいたことを綴っていきます。
英語の発音に関して、大半の日本人が最初にぶつかる壁は息の不足でしょう。
語頭に十分な息を、一度に、勢いよく出す、それによって英語のリズム作りができます。その語頭作りができたとして、今回のテーマは単語や文の語尾が消えたり、曖昧にならないよう語尾にも注意を払う必要があるという点です。
初級コースが4月に始まり、レッスン3回目の先日、単語に入りました。最初は語頭が P の単語で、まず Park から。上下の唇に強くプレッシャーをかけてPの破裂作りをします。次に、十分な口の縦開きをして母音の a を、更に息を出し続けながら舌を巻いて r に移り、最後は k。ところが往々にして、この語尾の k がおざなりになるのです。
原因は意識が足りない、息が続かない、口が回らない、その結果 k の音作りが足りず、当然聞き手には届かない、聞こえないとなります。Parkで k が消えると、Par となります。ご承知のように、これは全く別の単語で、異なった意味を有します。一つの単語ですら、一つの音が消えることで理解が困難になります。短いやり取りでも、例えば、急いで乗り込んだ高層ビルのエレベーターで ”What floor?” と問われ、”Thirteen, please.” と言ったつもりが、”Thirty, please.” と相手に聞こえ、30階まで行かざるを得なかったというような悲喜劇も起きかねません。
さて、単語の語尾が消えたり、曖昧になるのを防ぐ対策についてです。端的に言えば、これまでの記述にそのヒントがあります。まず、語尾を意識する。次に、十分息を吸い語頭に勢いをつけて出し、語尾まで息を繋げる。そして、口形や舌先をその語尾を発するポジションに置いて音を作ることです。Park の k の例で言えば、k の存在を念頭に置き、k 作りのための息を喉の奥から出します。その息の力で、語尾の存在が明らかになります。
語尾を消さない練習方法として、単語一個一個の発音練習が終わると次に、習った単語をいくつか連結させる訓練を行います。例えば、Park と Pen を機械的に繋いで Parkpen とし、r に続けてわざと k の子音を強く出すようにして発音します。このような練習を通して、語尾の意識化と音作りに体を慣れさせていくのです。