音をつなぐー3

投稿日:2019年5月19日

単語の音のつなぎ方に続いて、初級コース第5回目のレッスンでは、文章の音のつなぎ方に取り組みます。けれども、その前に、アルファベットが全て終わった後、次のステップ−単語−に移る前にアルファベット5個連結を練習したように、単語でも、次のステップ−文章−に移る前に単語4個連結、というカリキュラムがあります。

例えば、前回、構成している各音のつなぎ方の説明をしたparkという単語を含む、pで始まる単語4個park, pen, pig, potを各単語の間をあけずにつなげていくのです。ポイントは1個の単語の音をつくるときと同じで、スムーズな口形移動と息のコントロールです。注意しなければならないのは、最初のpにアタック[1]をつけ、最後のtに向かって音を下げていくことです。そして、各単語の語尾の音をきちんとつくって次の単語の語頭の音につなげ、parkpenpigpotとあたかも一つの単語のように、一気につくっていきます。

4月から始めて、このくらいの時期になると、子音に息を入れて出すことはずいぶんできてきますが、母音になると、つい日本語音で発音してしまうことがあります。そうすると、とたんに英語としてのリズムが壊れてしまいます。上の例でいえば、pやその他の子音を息をしっかり使って出すと同時に、arやe, i, oの短母音[2]も息を使ってつくります。

単語4個連結の練習が終わると、いよいよ「短文」に取り組みます。このカリキュラムで使用しているのは、”Solomon Grundy”というMother Goose の中のNursery Rhymeです。本来は「わらべ歌」ですが、訓練では、英語の文章のリズムを作る練習に使っています。複数の単語をつないでいくわけですが、単語4個連結のときの機械的な音のつなぎ方と少し違って、語と語の間を畳み込むようにつないでいきます。だからと言って、各音を消してしまうわけではないのです。これは、実際に訓練をしないと、文章でお伝えするのは難しいですね。”Solomon Grundy”の1文、1文は短いですから、一つの息でつなげます。最初の子音にアタックを入れること、また、短母音を決して日本語の母音「ア、イ、ウ、エ、オ」で発音しないことも大切です。

 

<イノモン>

[1] アタック   https://nakatsu-miraijuku.com/diary/32

[2] 短母音は息でつくる  https://nakatsu-miraijuku.com/diary/63

音をつなぐ-2

投稿日:2019年5月15日

さて、今回は単語の音のつなぎ方です。基本的には前回お伝えしたアルファベット5個連結と同じ要領で各音をつないでいきます。

例えば、parkであれば、上下の唇をしっかり閉じてプレッシャーをかけ、十分に吸った息で破裂させてしっかりpの原音をつくり、間髪入れずに唇を開き口を縦に開けて「ア」を発声します。続いてすぐにメガフォン口形にして舌を口の奥のほうに丸めてrの原音をつくりしっかり出した後、口形はそのままで舌を下顎におさめてkの原音をつくります。parkは一音節の単語ですから、pから最後のkまでのこの口形の移動を一拍でおさまるようにスムーズに行っていきます。

そして、前回アルファベット5個連結の時にお話ししたように、もう一つ大切なのが息のコントロールです。はじめに十分に吸った息を最初の子音で勢いよく出し、残りの息を使って最後のkまできちんと息で出せるように配分していきます。胸の上のほうだけを使っていてはうまくいきません。横隔膜を下げて、イメージとしては息をおなかのほうまで入れて、腹筋を使ってコントロールしていきます。

初級コース第4回目のレッスンでは、前半でまず前回導入した単語28個の復習をしてから、新たにT、D、N、L、Rで始まる単語各4個、合計20個の導入をしました。そして後半では、さらにK、C、G、H、W、WH、QUで始まる単語各4個とNG、Xが語尾に来る単語各4個の合計36個の単語に取り組みました。

どの単語も、アルファベットの音づくりで練習した方法で一つ一つの音を丁寧につくりつつ、滑らかにつないでいきます。これは、言うはやすしで、実際にやってみると、呼吸を含めて自分の肉体をコントロールすることは、最初はとても難しいものです。うまくいかないと、私たちはつい、慣れ親しんだ発音、すなわち「日本語」の発音で英語の単語を言ってしまいます。parkではなく「パーク」になってしまうのです。

取り組む単語は全部で108個です。今回までに84個終えましたので、残り24個に次回取り組みます。これら108の単語は、どれも日本語のカタカナでよく使われているものばかりです。日本語に慣れ親しんだ私たちが、「カタカナ英語」から英語として通じる音へと移行していく覚悟を決めるのに最適な単語が選択されています。

呼吸にしても口形にしても、ともかくやってみることが大切ですが、ただやみくもにやっていてもダメで、自分が今どのような口形をつくってどのように息を使って、結果としてどんな音がつくられたのかを、分析しながら英語として通じる音をつくっていくのです。この分析作業が、英語文化のものの考え方にも通じていきます。未来塾の訓練の正式名称を「異文化対応のための発音訓練」と呼ぶ所以です。

<イノモン>