LとR

投稿日:2011年5月27日

LとR、この二つのアルファベットが入っている単語は数え切れないほどありますが、表す音をカタカナで表記するとどちらもラ行となります。例えば、LightとRight、いずれも「イト」となります。ところが実際の発音上、LとRの音はかなり違います。未来塾では、自らの舌や唇を使って英語音を作る訓練を繰り返しますが、LとRの作り方は次のように全く異なります。
 
Lの場合は、上の歯の裏側に舌先を強く押し付けて出します。どのくらい強いか? 例えば、LilyのようにLが立て続けに出てくるような時、舌先は上の歯から離さずに押し付けたままの状態で音を出します。実際には間に短母音で発せられる i がありますので、舌先を一瞬離して i を作り、直ぐに元の位置に戻す作業となります。横から見ると、舌先は両唇の外へ出っぱなしになるくらい強く押し付けられます。初級・中級段階では、この舌の力を鍛える基本運動が日課の一つとして欠かせませんが、その理由はここにあります。
 
次にRの場合ですが、舌の先を喉の奥に向かって丸め込みます。この時かなり舌の力が必要になります。舌の先を丸め込み、口の上下を閉じながら更に押さえ込み、丸めた舌の裏側が口蓋にくっつく感じです。押さえを強くするため、口の両側は絶対横に広がらないようにします。口の両脇を内側へ向かって締めつけるようにしてください。
 
このようにLとRはお互いに作り方が全く異なりますので、出された音は当然違って聞こえるはずです。初めのうちは、日本語音のラ、リ、ル、レ、ロに慣れた耳には区別がつかないかもしれません。作り方の違いを学び、聞き分ける意識を持つことだけでも区別は可能となってくるはずですが、自らの舌を使ってLとRを作れるようになると、他人が発したLとRの聞き分けはそれだけ容易になると言えるでしょう。
 
LとRを区別して作れるようになると、英語の音声で自己表現する際の世界がかなり広がるのではないでしょうか。飽くことなく、怯むことなく、自らの音作りに挑戦してみてください。そのお手伝いを私たちトレーナーは喜んでします。
 

<ナガちゃん>

短母音は息で作る

投稿日:2011年5月12日

わたくしたちの訓練用テキストに、単語を集中的に取り扱う数頁があります。 最初に出てくるのは、p で始まる単語4個です。その中にpigがあります。言わずもがなとは思いますが、i は短母音で発音します。
 
この i をもし日本語の「イ」で発音するとどうなるか。pigが持つ本来の音が全く伝わらず、間延びしたものになります。文章の中にpigが使われている場合には、リズムが崩れ、文全体が締まりのないものになるでしょう。
 
未来塾の訓練では、i に限らず、短母音は息で、ほとんど息だけで作るように指導します。腹筋を使って、吸い込んだ息を軽い咳をするような感じで出します。言葉ではうまく表現できずもどかしいのですが、息を出した瞬間、その息を腹筋で支える感じともいえます。
 
pigの作り方を、この短母音の所を含めて、もう少し細かく見てみます。上下の唇を合わせてプレッシャーをかけ、p の破裂を作ります。次に、iを上記要領で瞬間的に息で出し、g の子音に繋げます。p で始まり、g に向かって音を落とします。あたかも、中間にi  が存在しないかの如くに、あっという間にp からg に繋げます。
 
テキストには、p で始まる単語が掲載されている同じ頁にvで始まる単語も載っています。こちらも4個あり、その最後はvisitです。これら二つの i はやはり短母音ですが、作り方はpigの時と同じです。一旦要領を掴めば、二つでも、三つでも恐れるに値しません。v、s、t と次々に子音を作る、その間を息の i で二回取り持てばいいだけです。
 
次の単語はいずれも訓練で使いますが、全て短母音を含んでいます。興味のある方は、試しに、是非発音してみてください。
sit、fish、milk、zipper、sun、come、book、foot、pot、dog
 
短母音をある程度マスターできると、その人の英語発音技量は飛躍的に向上したと言えるはずです。

<ナガちゃん>