担当しているトレーナー達が、訓練や日常の中で気づいたことを綴っていきます。
未来塾の初級コースでアルファベット26文字の習得が終わると、いよいよAからZまで参加者全員が入って、一人一文字ずつ順番に発音していくアルファベット回しを行います。できるだけテンポ良く、間違いなく回せるか否か、参加者の共同責任となります。
Aから数えて22番目の文字がVです。まず音の作り方について。
「上の歯で下唇をおさえたまま[ヴ]と呼吸で破裂した濁った音。下唇を硬くしてピーンとはらす。」(未来塾テキストより引用)。
レッスンでは、最初にこの[ヴ]の部分だけを取り上げて練習します。一切母音は入りません、子音のみです。息が続く限り[ヴ]を出し続けます。
[ヴ]が出せたら、Vの後半に当たる[ィ]を付け加えます。息と声の配分は、全体を100とすると、[ヴ]に80、[ィ]に残り20です。音は[ヴ] から[ィ]に向かって、丁度Vの形のように、真下に落とします。この間の要領について、テキストでは次のように解説しています。
「[ヴ]から[ィ]は呼吸で離れ(*)、少し唇が動く程度。開かない。」
*「呼吸で離れ」とは、硬くした下唇をおさえた上の歯は、出した強い息で自然に離れるようにすることが大切で、意識的に離さないことの意。
このコラムのタイトルである「ダメV」とは、いわゆる日本語でVを表現する場合の「ブイ」に近い音のことで、原因は最初の[ヴ]から次の[ィ]に即座に連結できないため起きると考えられます。冒頭に述べたアルファベット回しで、Aから順調に進み、息も声もなかなかよく出ている、リズムも悪くないと思っていると、Vのところで「ブイ」が出て調子が狂うことがよくあります。
26文字完結まであと数歩のところで調子が狂うと、とても残念な気分になります。しかし考えようによっては、これが音の面での異文化対応訓練なのだと思います。日本語では「ブイ」OK、でも英語になったらV [ヴィ]にさっと切り替える、それが必要なのだと思います。
<ナガちゃん>