「短母音」の発声発音

投稿日:2019年2月28日

aieouの母音字をレターネーム(その文字の名前)として発音する時には意識することはありませんが、これらの母音が単語の中に配置されるとき、大きく3つの発声方式となります。「短母音」(単独の母音原音を伸ばさずに発声)、「長母音」(単独の母音原音を伸ばして発声)、「二重母音」(母音を複数連続して発声)の3つです。このうち、短母音は語頭もしくは語尾に配置されるものと、子音に挟まれる場合があります。それぞれ発声は難しいのですが、今回は後者を取り上げたいと思います。

例を挙げると、例えば、penepigipotoがそうです。これらは、意識してごく短く発声しないと、単語、そしてその単語を用いている文の発声のリズムを崩してしまいます。短母音は非英語ネイティブが胸式呼吸を用いて発声するとどうしても長くなってしまいがちであり、コントロールすることが難しい発声です。未来塾では、腹式呼吸を用いて、短い息を瞬間的にぶつけるようにして作ります。

日本人が特に注意しなくてはいけないのは、この短母音と日本語の「促音(そくおん、小さな「っ」で表記される音)」を混同しないことです。日本語には短母音はないので、本来、新たな発声として習得しなければなりませんが、身体は、過去の記憶から実施できる動作を探そうとします。そこに、日本語の「促音」が登場します。先程のpenpigpotで言えば、発声はp-e-np-i-gp-o-tの構成となりますが、日本語によるカタカナ表記では「ペン」「ピッグ」「ポット」となり、後の2つには「ッ」音が入ります。このイメージに影響され、英語においてもioが必要以上に長く発声されたり、ioの後に日本語の促音に相当する音の留保、音の呑み込みが生じたりすることがあります。あるいは、これらの次の音、ここで言えばgtが必要以上に強く発声されることがあります。さらに多くの場合、日本語のイメージに引きずられ本来存在しない母音を後ろにつけてしまう傾向があります。pigであれば“u”、potであれば“o”の音がつき、発声のイメージを綴りにするとpiggupottoとなります。この不具合を克服するには、腹式呼吸により母音を短く発声すること、そして「促音」による音のイメージから離れることです。

「短母音」は短く、小さな音ですが、英語のリズムを作る重要な音の要素なのです。

 

<フルヤン>