担当しているトレーナー達が、訓練や日常の中で気づいたことを綴っていきます。
“Twinkle, Twinkle, Little Star…” これはお馴染みの童謡の冒頭部分です。当塾のテキストにも掲載されていて、初級コ-ス中盤の「詩の音声表現」に使います。さて、この歌詞1行に二重子音、三重子音がいくつ含まれているでしょうか。
二重子音としては、TwinkleのTwが2回、それとStarのSt。
三重子音としては、Twinkleのnklが2回、それとlittle のttl。
従って答えは3個ずつです。Littleのttlについて、音としてはTとLの二つだけなので、三重ではなく二重子音と捉える向きもあるでしょう。ただ、未来塾ではこのような場合、tを二つ分出すように指導していますので、ここでは三重子音として数えます。
ご承知のように、日本語には子音のみの連続はありません。「母子分離」の項で説明しましたが、日本語では子音が独立して発音されることはなく、母音に吸収されるように感じられるほど母音べったりです。従って、日本語に引きずられると、TwinkleのTとWの間、更にKとLの間に母音「ウ」が入り、子音の連続とはなりません。
TwinkleやLittleに限らず、二重子音や三重子音を有する単語は沢山あります。その度に母音が間に入ると、相手にとっては当然聞きづらくなります。英語のリズムも作れません。素早い舌の動きとしかるべき口形、それに息の利用が重要です。息に勢いがあると舌の動きを助け、子音の連結を容易にすることができます。
二重子音の作り方の具体例を、冒頭の歌詞にあるStarを利用して見てみましょう。 Sは上下の歯を軽く合わせ、その間から強い息を通過させて作ります。Tは、Sを出したと同時に、舌を素早く上の前歯の付け根に押しつけて出し、ARへ繋げます。ポイントは、息の力を利用して、上から下に一直線に降りる感じで、一拍で作ることです。
英語の辞書でStの項を追っていくと、三重子音のStrではじまる単語が少なからず出てきます。Straight, Strange, Struggle等々。ここでは詳しく触れませんが、Stで十分息があり勢いがついていると、あとは舌の移動が素早くできれば、発音自体それほど難しくありません。三重子音は二重子音の応用に過ぎないからです。