担当しているトレーナー達が、訓練や日常の中で気づいたことを綴っていきます。
ここ5、6年でしょうか、わたくしは受講生の方々に一つの変化を感じます。それは、かつてあれほどまでに厳しく怖いイメージが強かった中津式訓練を「楽しむ」雰囲気が感じられることです。殆ど褒めず、ダメ出しが圧倒的に多いレッスン。だから以前は、初級と中級合わせて約10か月のコースが終わると、再訓練を受けるなどまっぴらというのが普通だった気がします。ところが最近では、復習を希望される既受講生が珍しくなくなりました。
この10年強、当塾で活動しているトレーナー5人の面々は変わりません。確実に平均年齢は10歳アップしました。その結果、全体的な「老化」現象が起き、レッスン時の姿勢が昔ほど厳しくなくなり、むしろ受講生に対し「優しい」態度で接するようになったかもしれません。確かに、レッスン中に出すコメントにしても、良かった点をまず褒めて、次に改善すべき点を指摘するといったスタイルが今では主流です。
何はともあれ、既受講生が再訓練を望んで時折戻って来てくれるのは、トレーナーにとってとても嬉しいことです。初級に始まり、中級の自作文で仕上げるのが訓練の定番ですが、本来はその先があるはずです。それは、何らかの形で訓練成果を実生活に生かすという、いわば実践編・応用編です。仕事とは限りません。海外旅行をもっと楽しむといった生かし方もあるでしょう。また、研究者の方が例えば国際的な学会などで、ご自分の研究分野について英語で口頭発表されるような時、当塾で体得した音声表現力は間違いなく役立ちます。
わたくしたちトレーナーにとって、既受講生お一人お一人がご自分の課題を抱えながら塾に舞い戻り、更に上を目指してコミュニケーション力に磨きをかける時、きめ細かいお手伝いがもしできれば、それに勝る喜びはありません。正に初級段階、中級段階に続く上級段階のレッスンと言えましょう。
<ナガちゃん>