「事実」と「意見」を分ける

投稿日:2011年8月1日

未来塾の訓練は2本の柱から成ります。一つは音声、もう一つは論理的思考です。音声は日本語音から脱し、相手に分かる(通じる)英語音へ、自分の肉体を使って作ります。他方、論理的思考は、相手に伝える中身(考え)を如何に分かる(通じる)ものにするかで、筋道の通った説明をするための思考です。後者の訓練の出発点は、このブログのタイトルである、事実と意見を分けることです。
 
一見難しそうですが、簡単です。一つ分かりやすい例で説明します。
「アメリカ合衆国の初代大統領はジョージ・ワシントンである。」これは事実です。誰もこれに反論はできません。
次に「ジョージ・ワシントンは偉大な大統領であった。」これは意見に属する部分で、人により異なるはずです。「何故偉大と思うか」ある程度の証拠が必要ですし、「偉大」の定義もあったほうがいいでしょう。
 
何故分ける訓練をするかですが、それは人間の思考の中で事実と意見が渾然一体になっていることがよくあるからです。新聞記事などでも、それほど明確に分かれていません。試しに、コラムを一つ選んで、例えば朝日新聞の「天声人語」でもいいです、事実と思われる部分と記者の意見の部分を異なる色のマーカーで線を引いてみてください。
 
色分けがはっきりしているほど、わたくしは読み手にとって分かりやすい記事と言えると思います。別の言い方をするとこうです。自分がある事柄に意見を述べる場合、当然意見形成が必要ですが、それに先立ち関連する事実をしっかり押さえておく、それができていると意見形成がやりやすくなるのです。
 
何が事実か、それだけで議論を尽くすことができますし、意見をお互い述べる前に事実確認を行っておくことはとても大切なのです。その上で、各自が考えた意見を述べ合う、その時にはそれをサポートする事実を証拠としてあげることで、説得力が増します。未来塾では初級の段階から、ゲームや新聞記事の要約訓練等を通して、事実と意見を分ける習慣をつけていきます。
 

<ナガちゃん>