YearとEar、区別して発音できますか?

投稿日:2010年12月1日

アルファベット26文字の最後から2番目の文字“y”。みなさんは、この文字が表わす音をどのように発音していますか? たとえば、“young”や“yacht”。“y”ではじまる単語はおそらくカタカナのヤ行で済ませている方が多いのではないでしょうか?「ヤング」、「ヨット」?
 
でも、ちょっと待ってください。“year”はどう発音されていますか? 語頭に“y”のない“ear”と区別して発音できていますか? 
 
まあ、たとえ同じに発音しても、この二つの単語が取り違えられて誤解を招くような文脈に使われることはあまりなさそうですので、これに関してはそう大きな問題には思えませんね。けれども、“y”の文字が表わす音をきちんと発音できないと困ることがあるのです。それは、“y”は重要な代名詞“you”の語頭の音だからです。“you”の語頭の子音をきちんと出さないと、コミュニケーションの相手を表す単語が、一人の人格を表す音として立ち上がってきません。
 
では、“y”が表わす音(未来塾では「yの原音」と呼んでいます)はどうやって作るのでしょう? まず、メガフォン型口形(*)を作ります。息を十分に吸って、口形を保ったまま口の中の空間を息と声を同時に勢いよくひねり出すようにして、音を作ります。カタカナの「ユ」とは似て非なる音です。
 
新しいことに挑戦しようとしている相手に、“Yes, you can.”という時に、“yes”と“you”にこの“y”の音をしっかり発音して言えば、「大丈夫、あなたならきっとできるよ」と、力強く励ましの気持ちを伝えることができるでしょう。

 <イノモン>

 
(*)メガフォン型口形とは、未来塾の発音訓練で使う基本的な口の形で、形状は四角です。口形をつくる上下の唇全体に力が入っていますが、特に左右両脇の引き締めが強いです。メガフォン(拡声器)を正面から見たときの(四角い)形に似ているので、メガフォン型口形と呼びます。(2010年6月26日付掲載<ナガちゃん>の投稿より抜粋)