隠されたW

投稿日:2010年3月29日

2つ例を挙げます。
最初にone。この単語の中にWが隠されています
もうお分かりかもしれませんが、冒頭がWの音になります。綴りには現れません
2番目の例として、question。この場合も綴りには一切Wは出てきませんが発音ではQの後がWの音となります。

 

問題は、このWの音カタカナでは絶対表すことが不可能な点にあります。
未来塾の訓練では、両方の頬を風船のように膨らませ、空気でいっぱいにします。次に唇の先の一点から、(頬から唇にかけての緊張感は一切緩めずに)口中の空気を一気に外へ出します。其の時に唇上で起きる音がこのW音です。動物のうなり声にも似ています。

 

この動物的なW音を無視して、カタカナ代用しようとすると、oneは「ワン」となり、questionは「クエスチョン」となります。「ワン」では英語が本来持つ音のパンチ力くなってしまいます。また「クエスチョン」の場合には、驚くなかれ、W(音)の存在は全く無視されていることにお気づきでしょうか。綴りの上でqの後はuですが、発音上このuの部分はWの音となります。

 

W音が綴の上からは隠された単語、他にもあるはずです。ご自分で探してご覧になってみては如何でしょうか。

<ナガちゃん>

百八つの煩悩?

投稿日:2010年3月23日

未来塾の初級訓練では、アルファベットの発音を経て、次に単語に入ります。ここではカタカナになりやすい単語を集中的に練習し、英語の音の範疇に入るように鍛えていきます。

 

ここで登場するのが、合計108個の単語です。27のグル-プに分けられています。最初が P です。 P グル-プの一番目が park です。この段階までに、各受講生は P が必要とする鋭い破裂音を練習してきていますが、ここで初めて音の連結と呼んでいる訓練に入ります。個々の音を繋げていくのです。すなわち park の場合、 P 破裂でスタ-ト、破裂により生じた声と息のエネルギ-を利用して、a→r→kと素早く繋げていきます

 

Pグル-プの後は、 bat を冒頭とする B グループ、その次は mother を冒頭とする M グループと続き、最後の27番目は young を冒頭とする Y グループです。各グル-プは4つの単語から成りますので、全部で27×4の108個です。

 

これらカタカナになりやすい単語を、全てとはいかないまでも、少しでも多く英語の範疇に入るように練習を繰り返します。扱う単語の数は、仏教の教えによる人間の煩悩の数と、偶然とはいえ同じです。108個の単語の発音にひたすら励み、磨きがかかる度合いに比例して、受講生は英語音に関する煩悩から着実に脱却していけると言えるでしょう。

<ナガちゃん>

あらためて体験レッスンについて

投稿日:2010年3月17日

2度目の体験レッスンを実施しました。参加された9名の皆様に厚くお礼申し上げます。
2月に行われた最初の体験レッスンと合わせて,延べ17名が参加され、そのうち4月スタートの初級コースへは、現在4名が申し込みされています。5名以上で開講する、という原則を設けているため、申し込み期限までに人数が達するかどうかが鍵です。

 

ここで、あらためて体験レッスンを設けた目的や経緯を少し詳しく記します。

 

昔、未来塾がバベル翻訳・外語学院(現BABEL UNIVERSITY)の一講座であった頃、初級コースは10月に始まり、翌年の9月に終了。回数にしておよそ40回、80時間ほどのカリキュラムでした。

 

毎年、中津塾長と学院のスタッフで受講希望者を面接し、受講の動機や目的を確認して選考していたにも関わらず、講座がスタートして半年経つ頃には、受講生が半数ぐらいに減っているというのが常でした。(このことを、中津燎子が『英語と運命』(三五館、2005年発行)の「第12章 未来塾とヒグマ・ザ・モンスター」に書いています)

 

1999年に、自主運営で未来塾を始める時に特に配慮したのが、この、途中退塾を減らしたいということでした。手間も暇もかかるトレーニングが途中で無に帰すことは、トレーニー、トレーナー双方にとって、あまりにエネルギーと時間の無駄です。
そうならないようにと二つの工夫をしました。

 

一つはカリキュラムです。1年間のコースを4ヵ月、全12回に短縮しました。時間と費用の面で参加をし易くすることに加えて、未来塾カリキュラムの全体像をなるべく早く知ってもらいたい、ということからです。アルファベットの音作りは、口や舌を鍛え、耳を鍛えるという点で、スピーチ音の基礎となる大切な訓練です。しかし、その重要性に最初から納得がいくことは少なく、スピーチに取り組んで初めて、なるほどと実感できるのではないかと考えました。

 

もう一つの工夫が、本コースダイジェスト版体験レッスンを設け、これへの参加を本コース受講の必須条件としたことです。実際の訓練でトレーナーが出す音やトレーニーに要求される音は、読んだり聞いたりしてご自分なりに想像する範囲を超えています。また、トレーナーがトレーニーの出した音に対して出すコメントは事実主体のため、当初はダメ出しばかりです。それが、どのようなもので、ご自分は許容できるのか。いずれにせよ、百の説明より一回の体験が最も有効と考えたわけです。

 

以上の工夫により、受講生がコース半ばで辞めることは、劇的に減りました。今後はこの訓練の効果や魅力をもっとアピールしていくことが、課題です。

 

最後に、私が、他に仕事を持ちつつ、未来塾のトレーナー兼スタッフとして時間を割いている理由を簡単に記しておきます。
一つには、発音を学びたい方のお役に立てたらうれしい、ということがあります。自分の学んだ方法が生かされる、つまり自分自身が生かされる喜びがあります。
もう一つは、トレーナーとしての役割を果たすことが、自分にとっての異文化対応訓練でもある、ということです。このことは、説明し出すと長くなりますので、詳細は別の機会に。

(ぽんちゃん)

Eの驚き

投稿日:2010年3月7日

アルファベットの5番目であるEをどう発音するか?

 

多くの日本人は、口を出来るだけ横に開いて発音していると思います。いわゆる発音記号による解説でもそのようになっています。

 

でも、未来塾ではそのようにお勧めしていません。というより、横に開いてのE作りは御法度です。メガフォン口形と私たちが呼んでいる、口の両脇を不動にした口形で、息と声一体で、一気に作ります。

 

日本人の口の周りの肉は、欧米人(白色人種)に比べてたっぷりしていて、どこまでも横に開けます。そのため、一旦横に大きく開くと元に戻るまでに時間がかかります。

 

ところが、英語の音声を発する際、Eだけで終わることはまずありません。例えば、equalという単語一つとっても、Eの後に、子音だけでもQ, W, Lと繋げていかなければなりません

 

Eで横に開きすぎると、次々とテンポ良く必要な音を繋げることは難しくなります。従って、日本人がEを発音するとき、発音記号の解説どおりに、思い切り口を横に開くことは、駄洒落になりますが、「イ-」事では全くないのです。

 

未来塾の訓練を受け、かなりの受講者がこのEの発音指導に驚きの声を発します。

<ナガちゃん>

ツアーで冷や汗

投稿日:2010年3月2日

未来塾の受講の動機に、英語の発音が通じなかった体験を挙げられる方が少なからずいらっしゃいます。

例えば、「香港で買い物したけれど、英語が通じず、思い通りの買い物ができなかった」、「アメリカのレストランでミルク(MILK)を注文したら、メロン(MELON)が出てきた」など。

 

私も未来塾の訓練を受ける前に簡単な英語が通じなくて、冷や汗をかいた覚えがあります。
学生時代、団体旅行でアメリカ西海岸に1週間の予定で遊びに行ったとき、“TOUR”という単語が通じなかったのです!!

 

ホテルのロビーでバスを待っていたとき、地元の人のように見えた初老の白人男性に私から話しかけた時のことでした。私が“I am on a tour.” と話すと、“TOUR”が聞こえなかったようなので、3、4回大きな声で“TOUR”と繰り返しましたが、(?)の顔をされました。そこで私は、自分の手のひらに指で”T O U R”とつづって見せたところ、その男性は、”Oh! Tour!!”と言って、分かった!という表情をやっとしてくれました。私は通じない気まずさとあせりで、顔が熱くなり、冷や汗をかいていました。

 

何故、TOURが通じなかったのか、その答えはその後、未来塾の訓練を受けて分かりました。子音のTの音が、相手には聞こえていなかったのです。未来塾で作るTの音には破裂して吹き出たような強い息の音が入っています。この強い息の音がなければ、日本人の英語に慣れていない人達にはTの音と認識してもらえないのです。私がカタカナ音で叫んだ「ツアー(TOUR)」には、Tに必要な強い息の音がなかったのです。

 

未来塾の訓練には何故自分の英語が通じないのかという問いに対する答えやヒントがあって、その答えが通じる英語につながるのではないかなあと思っています。通じる英語への第一歩として、未来塾の体験レッスンに参加してみませんか?

(オサリン)