未来塾2020年初級コースについて

投稿日:2020年1月27日

1999年に中津燎子の教え子が塾を引継ぎ、第2期の活動を開始し、おかげさまで20年間、継続することができました。皆様よりのご支援、厚くお礼申し上げます。

この間、日本の社会も大きく変わりました。インターネットが普及し、多くの方がデジタル機器を普通に使うようになりました。訪日観光客も3,000万人を超えました。一方、少子高齢化の流れは弱まる兆しを見せません。
そのような変化も視野に入れながら、2020年は初級コースのスケジュールとカリキュラムの見直しを予定しています。

スケジュールについては、従来、体験レッスンを2~3月に開催し、実際のコースは4~7月において12回の日程で組んでいました。しかしながら、何名かの方より、体験レッスンと初級コース開始の時期は、勤務先での年度の切り替わりの時期と重なり、業務が多忙であるのみならず、異動、担当業務変更等の可能性があり、レッスン参加が困難、あるいはためらうことがあるとの声が寄せられていました。

カリキュラムに関しては、これまで初級コースは全12回のレッスンを組んできましたが、レッスン回数を3回増やして15回とし、増えた時間で以下の項目の実施を検討しています:

⑴ 従来、発声において効果が上がり難かった項目の補強(アルファベット・単語の連続発声、詩の音声発表、等)
⑵ スピーチ対象原稿(詩、スピーチ稿)の読解と討議
⑶ 異文化論(中津の著作を中心として)

全体コースの見直しを踏まえ、本年は体験レッスンを4月、5月に開催します。初級コースが成立すれば、6月から10月の約5ヶ月間をかけてレッスンを実施したいと思います。(従来は4ヶ月間でした)

教材についても見直し、文章とイラストによる説明を充実したものにする予定です。

ご希望の方はまずは体験レッスンにご参加頂きたく存じます。(体験レッスンお申込みページよりお申込みください。)

また、開始までに時間もあり、ここまで述べたような変更を予定していることから、皆様より、あるいは皆様の周囲で興味を持たれた方より質問があれば、丁寧にお答えしたいと思っておりますので、何なりとお寄せください。

本年を含め、今後もご支援、ご指導を頂きたく、なにとぞ宜しくお願いし致します。

初級コースが終了しました

投稿日:2019年7月24日

4月に始まった未来塾初級コースですが、12回のレッスンを無事終了いたしました。途中お仕事の都合で退塾されたお一人を除き、すべてのトレーニーの皆さんが最後の課題であるスピーチまで熱心に取り組んでくださいました。最後の発表では、これまでつくってこられた英語音でそれぞれの思いを込めたスピーチをしてくださり、私たちトレーナーも感動いたしました。

この後、秋からの中級コースに進んでくださる方、初級で終了される方、それぞれの決断をされますが、英語の発音に関しては、ようやく意識すればつくれるようになった段階の方がほとんどですから、そのままにしておくと、すぐに元に戻ってしまいます。初回からの録音を何度も聞き直し、基本運動なども続けながら、せっかくつかみかけたクリアな英語音のkeep up 、brush upに励んで、音の戸籍[1]をつくっていただきたいと思います。

4月にお伝えした通り、中津燎子の志を引き継いで、私たち中津の弟子が「新生未来塾」を立ち上げて今年は20周年です。多くのみなさんにご受講いただき、ここまで続けてこられたことを心から感謝しています。それぞれが仕事を持ちながら半ばボランティアで続けてきましたが、ほかでは学ぶことができない英語発音習得法を、必要としている方一人でも多くにお伝えしたいという思いでここまで来ました。トレーナーそれぞれも、年齢を重ね、未来塾としてこの手法をいつまで伝え続けられるかはわかりませんが、必要としている人がいらっしゃる限り、頑張りたいと思っています。

秋には中級コースが始まります。初級コースは英語の音づくりと発想法の基礎を学んでいただきました。中級では、さらに明快な英語音を定着させ、英語の発想法で実際に英文を作ってスピーチをしていただく訓練を行います。トレーナー、トレーニー双方にとって初級以上にハードな訓練となります。トレーナーとして、開始までエネルギーの充実をはかって備えたいと考えています。

初級コースの内容とレッスンの様子を少しでもお伝えしたいと4月からシリーズで書かせていただきました。最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

<イノモン>

 

[1] 真似では作れない!「音の戸籍」

 

 

賛成か反対か

投稿日:2019年7月16日

突然ですが、みなさんは「選択的夫婦別姓制度(法務省では「選択的夫婦別氏制度」というそうです)」に賛成ですか、それとも反対ですか。そして、その理由は何ですか?

私たち日本人の多くは普段、あることに対して「それはいいな。」とか「そんなことはないんじゃないかな。」といった漠然とした「感想」はもっても、明確に「賛成」または「反対」の立場を意識してとることはあまりないのではないでしょうか。まして、その理由まで考えることはさらに少ないように思います。

日本の社会でコミュニケーションを行う場合には、お互いが察しあったり、あえて明確に指摘したりすることを避けたりする場合が多いので、ことさら意見や立場を明言しなくても特に問題はないのですが、英語でのコミュニケーションでは立場や意見を明確にする必要が出てくる場合があります。そして、立場を明言したら、その理由も述べなければなりません。

未来塾初級コース第10回目のレッスンでは、前半に音声表現IIの練習をしたあと、「ディベート導入訓練」の三つ目、「賛成か反対か」のカリキュラムを実施しました。前回の「ニューズレポート」と同様に、トレーニーに記事をお配りして、その概要と意見を発表していただくのですが、前回と違うのは、今回は、その記事の主張や内容に対して、明確に「賛成」または「反対」の立場をとって明言することが求められます。そして、その立場に説得性を与えるために理由を述べなければなりません。

記事の概要をまとめるにあたっても、まずご自身の立場を明確に決めると、それに基づいて内容を整理することができると思います。「賛成」なり「反対」なりご自身の主張を支えるのに有効なことを軸に全体を整理し、しかも記事を持っていない聞き手にもわかりやすくまとめることが大切です。また、未来塾の訓練の特徴として、何かご自身と関わらせて意見を述べることが求められます。そうすることで、より説得性が増します。そして、明瞭な音声で、聞き手に分かりやすいスピードで発表します。

今回お配りした記事の中にも冒頭で挙げた「選択的夫婦別姓制度」に関する記事がありました。発表したトレーニーの方は、立場を明確にされ、理由もご自身の体験に基づいた説得力のある説明をしてくださいました。

さて、みなさんは、この「日本は選択的夫婦別姓制度を導入すべし」という論題に対して、「賛成」ですか、それとも「反対」ですか。よろしかったら、どちらかの立場を取って、他人に説明するつもりで、その理由を考えてみてはどうでしょうか?

 

<イノモン>

ニューズレポートに必須の「自分の視点」

投稿日:2019年7月9日

先のイノモンのブログでもお伝えしましたが、今回のトレーニーの方々のニューズレポートの発表は、概要は分かりやすい言葉でまとめられ、ご自分の意見をきちんと表明されたものでした。それは、どうしてか? そのことについてお話ししたいと思います。

レッスンの最後にお一人お一人に感想を聞きました。その時、一人の方から「自分の視点で(記事の概要を)まとめていいのですか?」という質問がありました。レッスンの進行役を務めていた私は即座に「結構です。ご自分の視点でまとめていいんですよ。」とお答えしました。なぜなら、「自分の視点」があるからこそ、情報が整理され、記事の内容の大枠が見え、それを受けて、意見が作られるからです。

その質問をされた方は、「自分の視点」だけで概要をまとめると情報が不足、または偏るのではないかと懸念されているようでした。その懸念は無用です。

なぜならば、発表の後に、2分間の質疑応答時間が設けられていて、概要について情報の不足や偏りがあれば、たいていその質疑応答の中で確認されるため、他の聴衆も気づくことができるのです。なお、質問は他のトレーニー1名がその役割を受け持ち、発表内容の不明な点を明らかにすることのみ、というルールです。

「自分の視点」がニューズレポート訓練のスタートです。

私自身が、初めてニューズレポートに挑戦した時の発表は失敗でした。概要は記事にひきずられて、記事の内容を読み上げ、時間切れで自分の意見はほとんど言えませんでした。それは「自分の視点」をもっていなかったからです。

今回のトレーニーの皆さんは「自分の視点」をもって、ニューズレポートに挑戦されたからよい発表になったと思います。

<オサリン>

 

ニューズレポート

投稿日:2019年6月30日

私たち未来塾のトレーナーが中津燎子から訓練を受けているときに度々聞かされていたことの一つに次のようなものがあります。「英語修得において、発音の仕上がりは50%でもよいが、文化については200%の理解が必要である。」ここで言う文化というのは、もちろん建造物や美術品といったものではなく、言語文化、すなはち、英語における論理性、世界(もの)のとらえ方、その提示のし方、といったような意味です。どんなに発音が良くても、内容 (意見) がなければ、そしてそれをわかりやすく伝えられなければ意味がない、というわけです。そして、それを学ぶために中津が私たちに課したのは、ディベートでした。

ディベートというのは、英語の言語文化におけるエッセンスが凝縮した形でゲーム形式となったものです。すなはち、一つの論題に対して「肯定側」「否定側」の立場に分かれて、議論を組み立て、必要な証拠で裏付けし、聴衆の前で議論して、どちらがより説得性があるかを競うものです。各スピーチには双方に同じ時間が与えられ、しかも短い時間です。その中で、言いたいことを要領よく整理してわかりやすく音声で伝えなくてはなりません。

多くの日本人にとってなじみのないディベートにいきなり取り組むことはハードルが高いため、当時の上級生 (1988~97年頃、未来塾は初級、中級に続いて上級コースもありました) が開発したプログラムが、現在の新生未来塾でも採用している「ディベート導入訓練」です。なお、この訓練は日本語で行っています。

実際のディベートの試合とそれに必要な立論のレッスンは中級で行いますが、初級ではその基礎となるスキルを学ぶために、「Yes/No game」、「ニューズレポート」、「賛成か反対か」のカリキュラムを用意しています。

初級第9回目のレッスンでは、トレーニーのみなさんに「ニューズレポート」に取り組んでいただきました。これは、それぞれ個別に配られる新聞や雑誌の記事についての概要と意見を15分間でまとめ、3分間で口頭発表していただく、というものです。もう少しくだいて言うと、その記事が要するに何を言っているのかをまとめ、自分の意見を形成してそれを聞き手にわかりやすく伝えることです。しかも短時間で準備し、聴衆に届く明快な音声で発表することが求められます。「概要」と「意見」を明確に分けることもポイントです。

発表の際に陥りがちな傾向として、記事に引きずられたり、ただ記事の一部を読み上げたりして「概要」に時間を取られて所定時間内に「意見」を言うことができなかったり、「概要」と「意見」が混ざっていて、聞き手にとって理解しづらくなったりすることがあります。また、そもそも「意見」が形成できない場合もあります。けれども、今回のトレーニーのみなさんは、記事の内容を程よい長さにまとめ、意見も形成されていてわかりやすく伝えることができていました。

<イノモン>